【メイキング】牡蠣姫
▼今回のイラスト
牡蠣をモチーフにキャラクターデザインをしました。ちなみに草案は3年前からあって、製作途中のまま放置されていたものをリメイクした形になります。
▼3年前の草案
足元や腰回りのデザインがかわい〜。ディテールは手直ししつつ、今のスキルでどこまで表現できるかトライしてみました。
①ラフ
草案ではなぜかスプーンを持っていましたが、オイスターナイフに変更。結果的に刃物特有の緊張感が出てよかったですね。あと、脚は揃えずわざと崩したポージングにしました。豪華な衣装を着たキャラクターがラフな姿勢をしていると嬉しいので……。
②線画
フリルがたくさん描けて楽しかったです。つま先のニュアンスが可愛い。
③色分け
3年前の草案を参考に、チュールレースの重なりに合わせて透明度に変化をつけるのにこだわりました。割とモノトーンっぽい配色だったのでさくさく進めます。
④下塗り
髪や肌を中心に塗りで情報量を増やしていきます。
最近の着彩では、基本的に混色ブラシは使いません。不透明度を下げたブラシで色を重ねて、ちょうどいいところをスポイトで吸いつつ馴染ませていきます。
さらに塗り込み。途中、身体の傾きと全体の余白バランスに違和感があったので、レイアウトを微調整しました。顔まわりも適宜修正をかけています。
⑤統合して塗り込み
一旦レイヤーを統合して、髪やフリルの縁にハイライトを入れたり、色調補正で細部を補強したりしていきます。パールや金属といった質感の違う素材を塗り分けするのが楽しい。ボンネットの縁フリルはボリューム感を足しました。
今までフリルを描くのは楽しいけど塗るのは普通に大変だな……という気持ちがあったのですが、『下塗り後にレイヤー統合→塗り込み』のフローを採用してからはディテールを詰めるのがすごく楽になりました。線画を潰して塗れるので、細部の調整に対するハードルがぐっと下がるんですよね……。もっとフリル描きたい。
⑥背景・加工
一枚絵として成立し得る密度を出します。背景は暗色と白っぽいエフェクトで深海のような雰囲気に。グラデーションマップで色味を足し、コントラストも補強しました。
⑦完成
全レイヤーを統合後に強めのシャープをかけたり、オートアクションで虹グラデーション効果を薄めにかけたりしています。
3年前の草案と比べると、線も塗りも洗練された部分が増えたような気がします。元のキャラクターデザインの良さに助けられたところも大きいので、過去の自分のがんばりにも感謝です。
ご覧いただきありがとうございました!